<作成&お問い合わせ> ―www.hm-consul.co.jp ヒューマンマネージコンサルティング㈱- 企業の人事制度で構築されるコンピテンシー(ハイパフォーマー、高業績者の行動特性:デイビットCマクレランドによる)や人事評価項目の中に、「じりつ」というものが多く見られます。言葉の解釈は2つあり、1つは「自律(セルフマネジメント、つまり自己管理)」ともう一つが「自立(自主独立とも解釈され、インディペンデンス、自らの考えを起こす、率先けん引して実現する)」というものです。よく研修などをしていると、この2つの漢字・意味の違いを受講する側(失礼ですが場合によっては、企業側、人事側も)が理解していないケースも多々あるようです。大凡のイメージはつくことと思いますが、ビジネスにおける影響度を考えれば、重要視したいのは、【自立】の方で、難度が高いのもこちらの方です。 まず、実現難度の低めの、ゆえに低コストで実現したい【自律】について考えてみたいと思います。【自律】については、特にビジネスの領域でなくとも、自ら計画してPlan-Do-Seeをすることなので、学生時代から取り組んでいる人も多くいます。またMBO(目標管理)が普及した状態では、上司との話し合いで【自律】の方は、否が応でも取り組まざるを得ない環境に置かれます。つまり【自律】の方は、上司やメンターとしての先輩社員のコーチングスキル、メンタリングスキルを上げておけば、OJT(職場教育)の中で対応可能で、上司やメンターとしての先輩社員が、その部下、後輩に働きかける方が効率的に実現できることになります。また【自律】の方は人によって持ち具合が異なるので掛けるべき時間も違ってきます。よって、当社にもよく問い合わせのある、新入社員や低めの年次の社員を集合研修に一斉に集め、「【自律】のための研修」をする方法は、コストの無駄になるということです。当社の企画では、【自律】の普及啓発を狙うのであれば、対象を新入社員や低めの年次にするではなく、対象を上司・先輩のコーチングスキル、メンタリングスキル、OJTスキルを伸ばす方が効果や効率が高いため、対象を切り替えるようにお薦めしているくらいです。 さて、続いて、難度が高く、ビジネスとしての影響力が高くなる【自立】について考えてみたいと思います。これは、マインドの注入、ビジョンの構築、先見性、発想力等々、単純なスキル教育だけでなく、マインドとスキルの相まった対策が必要で、その人本人だけでなく【自立】を志向するための環境整備も必要になります。つまり、環境整備としての制度構築とマインドの注入、ビジョンの構築、先見性、発想力等々のマインドを引き出し、スキルを身に付ける研修体系としての取り組みと両方が必要になります。では、その具体策とは・・・、『2つの「じりつ」論 「自律」はOJTで、「自立」は制度と研修体系で②』に続けて行きます。
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人材総合コンサルタント 研修トレーナー 眞下 仁(MashimoHitoshi)