プレスリリースで、株式会社オールアバウトさんの情報サイト、「All About」に執筆したガイドの方の記事と外部のサイトを編集する『まとめ』のサイトを提供するとの発表がありました。 ※プレスリリース内容、※該当記事YAHOO,Impress Watch) All Aboutは、専門家(サイトでは「ガイド」と呼ばれいている)の方が、その専門性に基づき情報やノウハウを提供するサイトです。サイト名を耳にしたことのある方、そして役立てている方も多く、その特徴をご存知の方も多いことと思います。 「集合知」構築の好事例として、当社もAll Aboutのサイトに注目し、拝見して来ました。と言うのは、当社は「集合知」の形成を、企業研修において、ITではなくリアルな(実際に参加者同士が顔を合わせた)コミュニケーションを通じて、ファシリテーターとなって集合知を形成する取り組みをしているからです。 ※ファシリテーター:中立的な立場で討議等のコミュニケーション活動を運営、管理し、活性化する人のこと(この取り組みのことは「ファシリテーション」と言う) 但し、ITを通じない、リアルな形でのファシリテーションでは、情報・ノウハウを収集できる範囲がどうしても制限されること(一度にできて、30名くらいからしか集合知が形成できない)。一方、ITを通じれば、極端ですが、数千人、数万人から集合知を形成することができます。言い過ぎかもしれませんが、一億人、数十億人のブレーンストーミングも夢ではないかもしれません。しかし、ネットを通じてより多くの方から情報・ノウハウを集めようとすると「玉成混合」と「上手くまとめきれない」という問題が付いてまわります。 集合知の形成のためには、広範囲から情報・ノウハウを集める「拡散のフェーズ」とその内容をある切り口(軸)によってまとめる「収束のフェーズ」が必要になります。ITの世界では「拡散」が充実する一方、「収束」に至り難く、リアルでは「拡散」が制限されますが、「収束」で一定の結論に至ることができます。当社は、このITとリアルの良い意味での「良い所取り」の方法を模索して来ました。 ネット上で情報の玉石混合が騒がれ始めたころから、「NAVERまとめ」のような「まとめ」のサイト、そして、効果的な「まとめ」のための存在として「キュレーター(取り組みとしての“キュレーション”」が注目されるようになりました。 今回のAll Aboutの「まとめ」への参入は、もともと専門性の高いガイドの方からの情報・ノウハウが中心であることや「一般ユーザーにまとめコンテンツ作成を開放する予定はない」としていることから、キュレーションにも一定の品質を実現できれば「専門性の高い情報・ノウハウ」からの「高度でまとまりある軸で整理された集合知」が期待できるのではないでしょうか。また、まとめにおけるキュレーションの取り組み方、機能を考察することは、リアルの集合知に取り組む当社にとってはファシリテーターのあり方を考えるベンチマークになると考えています。 ITとリアルの良い意味での「良い所取り」の方法を模索するにあたり、「All About」のまとめの取り組みに期待、注目しております。   ヒューマンマネージコンサルティング株式会社 人材総合コンサルタント 研修トレーナー 眞下 仁(ましも ひとし)