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【コラム】「ケースメソッド1.0」とは、そして2.0へ向けて
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ヒューマンマネージコンサルティング株式会社 代表取締役
人材総合コンサルタント 研修トレーナー 眞下 仁(ましも ひとし)
私たち、ヒューマンマネージコンサルティング株式会社は、人材開発の企画、研修の実施等々に役立てるため、ケースメソッドの研究やケースの開発・作成に取り組んでいます。
はじめに、「ケース」「ケーススタディ」「ケースメソッド」の意味を簡単に整理しておくと、
- 「ケース」とは、『社会、企業・組織で起こった“ある事例”』のこと
- 「ケースメソッド」とは、『ある事例について研究し、その背景などを考えることで学びや気づきを得る手法』のこと
- 「ケーススタディ」とは、『ある具体的な事例の分析によって、その背後にある原理や法則性などを究明し、一般的な法則・理論を発見しようとする方法』のこと
※各種文献、諸説参考に当方が要約
のことです。この意味は、こちらにも記載がございます。 ケースメソッド1.0とは 「進化」のステージをよく、1.0、2.0・・・と表現することがあります。システムの開発で、そのバージョンを1.0、1.1・・・2.0と表現したり、web1.0、2.0、3.0とコンセプトの変遷が名付けられたりします。 同じように、『ケースメソッドの進化』にもステージがあり、現在はその1.0から2.0に移行し始めた段階と捉えています。 先ずこの『ケースメソッド1.0』についてですが、ケースメソッドの概念が生まれ、定義化され、徐々に社会への認知が広がる段階のことで、ケースメソッドに関与された多くの方々の功労で、この段階はクリアしたと考えられます。 そして、ケースメソッド1.0において、「ケースはどういった活用のしかた(活用目的)があり、何の役に立つのか?」ということも明らかになりました。 当社では、ケースの活用目的を次の四つに分類しました。完全に重複なく区分することは難しいにしても、ケースを開発する際、ケースを用いた人材開発を行う際は、これらのどれ(組み合わせも含む)を目指すのかを明確にします。そのことで、旧来の曖昧なケースの選択のしかた、使い方にならないようにします。 ケースの活用目的 (1)「理解」のためのケース- 既存の体系化された知識、学説等を研修などで習得し、それを各自自身の理解に落とすためにケースを活用する。
- 自分に経験のない事柄に触れ、各自の考え方の偏り、視野の狭さを認識するためにケースを活用する。
- 発想を引き出すための材料としてケースを活用する(類推、アナロジーする材料としてケースを活用する)。
- 自分の知識、スキルの保有・発揮具合、着想の特徴などを自分で把握する、振り返る題材としてケースを活用する。