コミュニケーションが上手く行かない原因の中に、双方の言葉の捉え方の違い、正確な解釈の違い、抽象さと緻密さのこだわりの違いと言ったものがあります。今回の【ヒューマンマネージ 豆知識】では、コミュニケーションの中で言葉の意味の捉え違いの多い、同じ意味と思いながらも実は意味の違う「収支と利益」、「収入と収益」、「支出と費用」の違いについて取り上げます。 「収支」=「収入」-「支出」(全て現金ベース) 「収入」も「支出」も(その差の「収支も」)、「現金の出入り」があった時に発生します。
  • 「収入」とは、何かの取引で入金:キャッシュインされた現金の動きのこと。
  • 「支出」とは、何かの取引で出金:キャッシュアウトがあった現金の動きのこと。
「利益」=「収益」-「費用」(全て取引ベース) 現行の会計制度では、現金取引でないことが多く(信用取引が大半)、取引と現金の出入り(入出金)が同時でないことがほとんどです。現金の動きが実際にあったのか、それともなかったのかによって、前者を『収支・収入・支出』、後者を『利益・収益・費用』と言葉を使い分けて、意味を分けています。なお、現金ではなく取引の発生を基に計上する会計の原則を発生主義と言います。 よって、言葉は似ていますが、上記の違いがあるため金額は、「収支=利益」、「収入=収益」、「支出=費用」というようには一致しません。
  • 「収益」とは、売上、受取手数料、受取利息などの総称で、純資産を増加させること。発生主義のため現金以外にも売掛金、手形などで収益があがる。
  • 「費用」とは、発生した支払い全般のこと。発生主義のため、代金(現金)未払いでも提供された役務や品物も含む。その他、減価償却費、貸倒引当金、退職給付引当金などがある。
www.hm-consul.co.jp 人材総合コンサルタント 研修トレーナー 眞下 仁(ましも ひとし)