私たち、ヒューマンマネージコンサルティング株式会社では、最近注目される「ゲーミフィケーション」をマーケティングや社内施策へ導入するためのコンサルティングと研修会を実施いたしております。 「【コラム】ゲーミフィケーションをマーケティングや人事制度などに導入する(1)」では、ゲーミフィケーションとは、どのような概念なのか、ゲーミフィケーションで、どのような心理を刺激するのか(マズロー氏の欲求5段階説の「所属と愛の欲求」や「承認欲求」、スティーブン・リース氏の「16の基本的欲求」など)を解説しました。 今回は、ゲーミフィケーションをどのようにマーケティングや人事制度に織り込むかを紹介してみたいと思います。 ◯ゲーミフィケーションで何をすべきか ゲーミフィケーションを通じて、マズロー氏の欲求5段階説の「所属と愛の欲求」や「承認欲求」、スティーブン・リース氏の「16の基本的欲求」などを満たし、マーケティングであれば市場・お客様(顧客)を、人事制度であれば社員を動機付ける(モチベーションを上げる)わけですが、そのために、戦略や施策、制度などに、どのような要素を織り込めばよいのでしょうか。 先ず、基本として絶対に備えなくてはならないことが、
  • 当人以外からのフィードバック(反応)※できれば、その人への理解=「共感」があること(しかも「即!」のタイミングで)
  • 当人以外からの反応が可視化されて把握できること
フィードバック(反応、共感)×可視化がゲーミフィケーションの2大要素と言えます。そして、ここに更に競争を可視化、計測するための「ポイントバッジ」や競争結果を示す「スコアランキング」が合わさって、最低限要する(また最大の効果となる)ゲーミフィケーションの要素が揃うことになります。 なお、「顧客を生み出すゲーミフィケーション(神馬豪氏/石田宏実氏/木下祐司氏著 大和出版)」の第3章「ゲーミフィケーションを理解する17の技術」で、ゲーミフィケーションで取り入れる要素、技術が述べられており、大変に参考になるものです。当該分野にご興味の方は、この書籍を少なくとも一読されることをお薦めいたします。その要素、技術ですが・・・
  • 即時フィードバック~時間を忘れて行動選択をし続ける~
  • レベルアップ~自分の強さや経験の量を明確に表す~
  • レベルデザイン~利用者のレベルに合せたお楽しみを用意する
  • 不足感~「全部集めきった」という満足感を与える
  • シークレット~何が隠されているかわからないことで期待させる
  • スコアとランキング~「自分の位置」を把握させて意欲を向上させる
  • バッジと実績~利用者の達成度を可視化する
  • 競争~身近な相手の動きを知ってモチベーションをアップさせる
  • 協力~「仲間と一緒にいたい」気持ちで継続させる
  • 価値観の共有~ゲームに参加する人同士の交流を広げる
  • ストーリー(物語性)~覚えやすく記憶に残る物語を展開させる
  • カスタマイズ~自分のオリジナルキャラクターで愛着を持たせる
  • イベント~特別な出来事や催し物でワクワク感を高める
  • リメンバー~「期限付きの権利」で愛着心を高める
  • プレリレーションシップ~新作の発売に合せて前作も買ってもらう
  • グラフィカル~「絵」によって利用者は瞬時に楽しさを理解する
  • 驚嘆~利用者の想像を超えるサービス精神を発揮する
 フィードバック(反応、共感)可視化ポイントバッジスコア・ランキング、そして・・・ 「フィードバック(反応、共感)」、「可視化」をゲーミフィケーションの2大要素として、更に、「ポイント・バッジ」、「スコア・ランキング」がゲーミフィケーションを構成することを先に述べましたが、次に必要になるのが「自由度」であると言えます。「ゲーム」の体裁を保たなくてはなりませんので「自由度」と言っても勿論、制限はありますが、それでもある程度の幅がないと盛り上がりを欠くことになります。強制感、圧迫感によって逆にモチベーションを下げないよう、ある程度の幅を持たせるのです。 自由度には、主に次のようなものがあります。
  • 仲間(自分を応援する人)自分を評価する人を選べる自由度
  • 自分の実力に即して目標のレベルを選べる自由度
  • 自分以外にりきる自由度(アバターなどのオリジナルな自分表現)
これらの自由度が更に備わることでモチベーションが喚起され、ゲームの参加者(マーケティングであれば市場・お客様(顧客)、人事制度であれば社員)が、益々、そのゲームに夢中になって行くものです。 以上 ヒューマンマネージコンサルティング株式会社 眞下 仁